本業と副業の両方を楽しみながらハイブリッドに生きる方法

コンサルタントやシステムエンジニアとして独立すれば、会社員時代の給料と比べて約2倍の報酬が得られることについては、当連載の1回目のコラムで説明しました。

独立の第1目的が年収アップであれば、コンサルやSEとして1年中フル稼働し、とにかく「経済的自由」を得ることを最優先にして働き倒すのもありでしょう。
しかし私が提唱したいのは、稼働期間を敢えて限定した上で会社員時代の年収を維持しつつ、「時間的自由」を得るライフスタイルです。

私の場合、2006年に脱サラして以降、1年のうち半年だけコンサルタントとして稼働して、残りの半年は自由を謳歌する「半年だけ働く」ライフスタイルをずっと続けています。

この生き方は、仕事以外に好きなことがあまりないという人にはお勧めしません。没頭できる趣味を何かしら持っていて、その趣味を満喫するのに週末だけでは物足りないと感じる会社員の方は、是非「時間的自由」を追求するライフスタイルにチャレンジしてほしいと考えています。


■ 趣味をとことん追求すれば仕事になる

社会人になってから、仕事以外の好きなことに何カ月も没頭できる機会なんてほぼないと思いますが、独立して仕事に対する裁量権を自ら持つことができれば、そんな夢のような生活が可能となります。

私はサッカー観戦と旅が大好きで、独立した2006年以降は毎年数カ月単位でコンサルとして稼働をしない期間を作って、ワールドカップやオリンピックなど主要な国際大会に合わせて海外に出向き、サッカー日本代表の試合を現地観戦してきました。

単にサッカー観戦や旅を楽しむだけではなく、観戦レポートをブログ記事として書いたり、航空券や観戦チケットを安く手配する方法を情報発信したりしていると、出版社から書籍出版の話を持ち掛けられたり、マスメディアから取材を受けてテレビやラジオに出演したりするようになって、段々と趣味の領域が副業として稼ぐことが可能になってきました。

印税収入以外にもブログの広告収入や講演会、4年に1度のワールドカップ限定のオンラインサロン運営など、サポーターとして活動することで年に数百万円の売上がたつようになってきたため、最近はプロサポーターを名乗っています(プロとはその領域で生計を立てているという意味で使用)。


■ 最初はお金よりも自分が楽しむことが重要

今や自分が生み出したコンテンツをインターネット上に公開することで、マネタイズすることが容易な世の中になりました。

ブログを書く、もしくはYoutubeで動画を公開することで広告収入を得たり、noteやKindleのKDPなどで読者から直接対価を得たり、お金を稼ぐ手段はたくさんあります。

ただし、副業立ち上げ時のコツは、お金を稼ぐことよりもまずは自分自身が楽しむことに主軸を置くべきです。まずは楽しみながら無料でコンテンツを公開していくことで、ファンやフォロワーが増えてきます。

そうやって実績を着実に積み上げていくと、マスメディアの目に止まったり、SNSを通じてコンテンツがバズったりして、コンテンツの評価が雪だるま式に高まっていくはずです。

私も最初はマネタイズなど二の次で、ひたすら自分が旅先で感じたことや、これは他人に伝えたいと感じたノウハウを無償で提供し続けていたら、ツイッターのフォロワーが万単位で増えてきて、売上に繋がってきたという経緯があります。

私の場合、年商を数百万円にするのに10年もかかりましたし、最初に売り上げが立つようになった時期は、月の売上は数千円程度でした。継続は力なりとはよくいったもので、好きなことを無我夢中になって続けていれば、何事も続けていれば評価がおのずとついてくるはずです。


■ ハイブリッドに生きる

ITの分野のみならず、このように趣味の領域でもマネタイズできるようになると、それら複数の領域を掛け合わせることでコンテンツの付加価値をより高めることができます。

例えば私の場合、コンサルタントとしての知識を旅の領域に応用して、ロジカルに旅を計画する「ロジ旅」という書籍を出版しました。複数の領域でエッジの利いたスキルを持った上で、それらを掛け合わせることができれば、他人が真似できないコンテンツを生み出すことが可能となります。

このように複数の領域を掛け合わせてハイブリッドに生きることができれば、人生の幅が広がるし、収入のポートフォリオを形成できて、将来への備えにも繋がります。

独立して「時間的自由」を確保しつつ、趣味に没頭して副業にも勤しむ新しいライフスタイル、皆さんも試してみてはいかがでしょうか?