11話「消費税について③」

消費税について①は、こちら
消費税について②は、こちら

前回の続きで、今回も消費税について説明します。


消費税の国内取引判定



  1. 資産の譲渡等・・・譲渡時における譲渡資産の所在場所
  2. 役務の提供・・・原則、役務提供時における役務提供の場所

    役務の提供地が国内と国外に渡って行われる場合は
    • 情報の提供
      情報の提供を行う者情報提供に係る事務所所在地
    • 上記以外で国内及び国外の地域にわたって行われる役務の提供、その他の役務の提供が行われた場所が明らかでないもの
      役務の提供を行う者役務の提供に係る事務所所在地
    • ポイント
      • 契約書に役務提供の場所を明示し、国外取引になるものは、消費税は課税されない。
      • 国内と国外の取引が発生する場合は、契約書に消費税の取扱を明示する。
      • 外国法人の日本支店(支社)との取引は、国内取引となる。
      • 非居住者に対する国内取引は、輸出免税対象となる。
        例)日本企業が国外企業から国内市場調査の依頼を受け、報告書を作成し、情報提供を行った場合(国外企業が日本に支店なし)

実務では、判断に迷うケースもあります。国外との取引が無ければあまり気にしない内容ですが、ご参考まで。


納税資金確保の積み立て


消費税は原則

預かった消費税 ― 支払った消費税 = 納付する消費税

となります。

通常、還付となるケースは少ないです。従って、納税資金を確保する為に毎月一定額を積み立てると良いと思います。

例えば、前年の年税額が1,200万円であれば、1,200万円 ÷ 12ヶ月 = 100万円。
毎月約100万円以上を積み立てると良いと思います。

業績が良く、売上や利益が増加する場合は、100万円以上積み立てる。

給与から天引きされる源泉税についても同様に積み立てると、納税する時に慌てずに済みます。

今後、消費税率は上がる傾向なので、納税資金を意識して積み立ててください。


消費税の課税区分


経理担当者向けですが、経理処理での消費税の課税区分についてまとめます。

受取利息、土地の売却・・・非課税売上
保険金、助成金、税金の還付、還付加算金、給与賞与、役員報酬・・・対象外
法定福利費、保険料、支払利息、行政手数料・・・非課税
国内の交通費、光熱費・・・課税取引
海外の交通費・・・対象外

交際費は内容で判断します。

国内の飲食代、ゴルフプレー代、お酒の贈答代・・・課税取引
お祝金、香典、ゴルフ場利用税、海外の飲食代・・・課税対象外
商品券の贈答代・・・非課税

福利厚生費についても内容で判断します。

お茶菓子代・・・課税対象
お祝金、香典・・・課税対象外

地代家賃
契約書で判断します。実際に使われている内容で判断しない点が注意です。

契約書で事務所として借りている。・・・課税取引
契約書で住宅として借りている。・・・非課税

大体この位を抑えれば、消費税の取引は、大丈夫でしょう。

それでは。良い一日を!!