16話「税務調査について②」

税務調査について①はこちら

税務調査の日時が決まりました。

顧問税理士がいる場合、税務上のグレーな部分が指摘されるポイントについて事前に打合せをして、対策をします。
用意する資料(決算書類、総勘定元帳、請求書、領収書、議事録、契約書等)も税理士から指示があります。
うちの事務所では、調査官の座る位置まで指示をします。

本社が都内の場合は、通常、直近から3期分を調査します。
一番詳しく見るのは、直近分です。


税務調査の流れ ~ 雑談時のポイント ~


税務調査の日程は、1日~2日が通常です。
今回は、税務調査が2日間の場合を話します。

税務調査1日目
朝10時から通常スタートです。
調査官の身分証明書、税務調査をする税目と対象事業年度(通常3期分)の確認をします。
午前中は、雑談と会社の事業内容、大まかな経理の流れを話します。

ここで一番の注意は、納税者(社長)様が話し過ぎない事です。
得に社長様は、話を展開する事が得意な方が多いので。
通常の仕事では大丈夫ですが、税務調査では、話を展開する事はやめた方が良いです。

ベテラン調査官は、雑談から税務調査の方向性を決めます。
主に話して良い内容は、会社の事業内容です。
趣味関係は、あまり話さない方が良いです。

コツは、会社の事業内容以外は、短い言葉で簡潔に話すよう心掛けて会話をしてください。
実は、これが一番難しいのですが。
社長様の一言で、税金が増える場合があります。税理士は、ドッキとします。

税務調査1日目の午前中は、話だけで終わる場合もあります。
お昼は、調査官に食事を用意する必要はありません。


税務調査の流れ ~ 書類調査の内容 ~


税務調査1日目の午後1時から税務調査2日目まで書類関係の調査がスタートします。

主に見ていく順番を簡単にまとめると、

①売上のチェック

売上計上の漏れが無いか?売上の期ズレの確認。

②仕入、外注費のチェック

架空の仕入、外注費が無いか?仕入、外注費の期ズレの確認。棚卸の金額確認。

③人件費のチェック

架空人件費の確認、役員報酬についての確認。

④経費の確認

主に、個人的な費用が会社で落とされていないかを確認します。
役員の個人的な費用が会社で落とされていれば、役員賞与となり、法人税、消費税、源泉税が追徴となる場合があります。
交際費、会議費、福利厚生費、支払手数料、修繕費、雑費等金額の大きいものをピックアップして経費計上が適正か確認します。

⑤印紙税、消費税、源泉税のチェック

となります。

調査最終日は、税務調査での指摘事項の説明が30分から1時間位で終了となります。
調査は、大体、朝の10時から16時で完了です。

その後のやりとりは、税理士が仲介となり方向性を決めます。
得に大きな修正事項が無ければ、何も無く終了となります。
税務調査での指摘事項に納得すれば、修正申告をして終了となります。

ここで良く出て来る話が「お土産」です。
「お土産」とは、あらかじめ税務調査で否認され修正申告をする内容を用意する事です。
結論から話すと「お土産」を持たせる必要はありません。


最後に


税務調査のコツは、

①社長様は、事業内容以外は、あまり話さない。
②請求書等書類関係は、整備する。
③直ぐに分らない事は、後日連絡すれば良い。慌てないでください。
④顧問税理士と調査対策をする。

税務調査は、長引くと困るのは調査官です。勿論、納税者様も困りますが。
税務調査は、税理士と相談して対応するのが一番良いと思います。

それでは。良い一日を!!