32話「ベストな決算月について」

今回は、決算月について書きたいと思います。

個人事業者の場合は、12月しか選ぶ事ができません。
法人は、任意で決算月を選ぶ事が出来ます。

では、決算月をいつにすれば良いのか?となります。


なるべく暇な月にしてください。


注意点は、一番売上が高くなる月を選ばない事です。忙しい月を決算にするとなかなか決算対応がスムーズに進まない場合があります。

例えば、話を簡単にする為に売上だけで見ると、

1月~10月まで各月100万円の売上、11月150万円、12月200万円の売上の会社とします。

設立時 1月開業で、12月決算の場合
売上合計 100万円 × 10ヵ月 + 150万円 + 200万円 = 1,350万円。

2期目 売上合計は、同額の1,350万円。

設立時 1月開業で、7月決算の場合
売上合計 100万円 × 7ヵ月 = 700万円。
==> 7ヵ月分でOK。

2期目 売上合計は、100万円 × 3ヵ月(8~10月)+ 150万円 + 200万円 + 100万円 × 7ヵ月 = 1,350万円

2期目は、同じ売上合計になりますが、1期目は、決算月を7月にすることにより、売上が大きい月を来期に繰越しています。消費税納税義務者の判定においても、資本金1,000万円未満の場合の特例計算もしなくて良いので、決算月をいつにするかで節税が図れる場合があります。以前書いたコラム「9話消費税について」をご参考にしてください。


② 実は、税務調査が入りにくい月があります。


6月、7月、8月、9月、10月、11月、12月、1月となります。

詳しい説明はここではしませんが、税務職員の異動日が関係しています。特に秋の税務調査は、調査官の仕事上の評価で、気合が入っている場合が多いです。

決算月が3月だと秋のシーズンに良く調査が行われます。従って、3月決算は、あまりお勧めではありません。日本の企業は、3月決算が多いです。親子会社やグループ会社の場合は、決算月を変えられない場合もありますが、決算月の変更も出来ますので、顧問の税理士へ相談するのも良いと思います。

決算月のコツは、

  • 忙しい月(売上が多い月)でない
  • 税務調査の入りにくい月である

の2つを満たしている月にすると良いと思います。

決算月の2~3ヵ月前から決算予想(損益予想、納税予想)をし、早めの決算完了をしたいものです。そして、来期の事業計画も考えながら経営をする。

設立時に決算月をいつにするのかは、大切な事です。ご参考に!!

それでは。良い一日を!!