47話「節税の注意点 中小企業倒産防止共済加入について」

今回は、節税というよりも課税の繰延ですが、中小企業倒産防止共済(経営セーフティー共済)についての注意点を書きますね。

加入資格は、「資本金が5,000万円(業種により金額増加)以下」、「従業員50人以下(業種により金額増加)」のいずれかに該当する会社又は個人事業者。殆どの法人や個人事業者は、該当すると思います。

掛金は、月5,000円から200,000円までの範囲(5,000円単位)で自由に選択、掛金の積立限度額は、掛金総額が800万円まで。原則、支払った掛金が全額経費で落とす事が出来ます。

前納制度があります。これを活用して節税(課税の繰延)が出来ます。課税の繰延については、6話の「節税についてその2」をご参考にしてください。


中小企業倒産防止共済についての注意点5つ


■注意点1

加入時期です!このタイミングを間違えると経費で落としたい事業年度に経費に落とす事が出来ません。

個人事業者は、12月31日までに掛金の払い込みが済んでいて、加入が完了している事です。

実は、口座引落で前納する場合は、10月申し込みだとギリギリ間に合わない場合もあります。確実にするためには、前納金額を初回振込し、確実に間に合わせる方法もありますので、余裕を持って申し込みをする事が大切です。

例えば、月20万円掛金で前納する場合は、240万円を今期に経費に落とす事が出来ます。

■注意点2

掛金の積立が800万円までである。これ以上は掛金を払う事が出来ません。

■注意点3

先の話ですが、出口戦略を考える。解約の時期をいつにするか(掛金納付月数が40か月以上であれば、任意解約で100%返戻されます)。例えば、800万円の払い込みが完了し、掛金納付月数が40か月以上の解約であれば、800万円が雑収入で収益に計上されます。

当期赤字が1,000万円出て、資金繰りも厳しい時に解約を考える。

加入時の実行税率よりも解約時の実行税率が低い時に解約をすると節税になります。ただし、将来の税制改正で節税にならない場合(税率が上がる)の可能性もありますので、注意が必要です。

■注意点4

共済加入者は、一定の貸付条件を満たしていれば、貸付を受ける事が出来ます。

■注意点5

掛金を経費で落とす為には、法人であれば、一定の書類の添付が必要です。例えば別表10(7)。年度によっては、別表10(6)。個人事業者は、「特定の基金に対する負担金等の必要経費算入に関する明細書」を所得税の確定申告書に添付する。

実は、税理士でも知らない場合があるので注意です。

今期黒字が大幅に出て資金繰りに余裕がある場合は、長期的な視点で中小企業倒産防止共済に加入するかどうかを検討するのも良いと思います。

それでは。良い一日を!!