65話「年末調整について」

今回は、11月になりましたので、年末調整についての注意点を書きたいと思います。


年末調整とは?


従業員(パート、アルバイトを含む)等の給与の支払を受ける人(給与所得者といい、給与所得者の扶養控除等(異動)申告書を提出している人)は、毎月給与や賞与の支払いの際に所得税等が源泉徴収(天引き)された合計額と、その年の給与等に対する実際に納めなければならない所得税等の年税額とを比べて、その過不足額を精算する手続きをいいます。通常、所得税等は多めに源泉徴収(天引き)されるので、還付される場合が多いです


年末調整の対象者と対象にならない人とは?


年末調整の対象者は、給与所得者の扶養控除等(異動)申告書を提出している人(通常1カ所にしか提出出来ません)です。年の途中で死亡により退職した人も対象となります。

しかし、次の人は対象となりません。

  1. 本年中の主たる給与の収入金額(年収)が2,000万円を超える人
  2. 2カ所以上から給与の支払いを受けている人で、他の給与の支払者に給与所得者の扶養控除等(異動)申告書を提出している人
  3. 年末調整を行う時までに給与所得者の扶養控除等(異動)申告書を提出していない人
  4. 年の途中で退職した人で一定の人
  5. 非居住者

年末調整の対象とならない人は、確定申告をします。

年末調整では所得控除が出来ない項目があります。例えば、雑損控除・医療費控除・寄付金控除があります。これらの控除を受ける場合には原則確定申告が必要となります。

通常の従業員であれば、年末調整をする事により概ね所得税については、確定申告をする必要はありません。

ここで間違いが多い点を書きたいと思います。

給与所得者の扶養控除等(異動)申告書に記載する配偶者の所得の見積額です。年収を書く方が多いですが、間違いです。例えば、年収が100万円の場合、給与所得のみであれば、100万円‐55万円(給与所得控除額)=45万円と記載してください。給与所得控除額は、年収によって増加します。必ず給与所得控除額を引いた金額を記載してください。


年末調整に必要な書類


年末調整では、

  1. 生命保険の控除証明書
  2. 地震(損害)保険の控除証明書
  3. 住宅借入金等特別控除申告書と借入金残高証明書
  4. 中途入社社員については、前会社の源泉徴収票
  5. 小規模企業共済等掛金の払込証明(確定拠出年金を含む)
  6. 国民年金の証明書・国民健康保険料の納付証明書コピー
    1/1~12/31までの現金主義(未払は、含まない)

も添付資料が要です。早めに資料の整理を心掛けてください。

あまり無いですが、前会社から源泉徴収票を交付されない場合があります。交付依頼しても源泉徴収票が発行されない場合は、税務署へ源泉徴収票不交付の届出をしてください。税務署から前会社へ源泉徴収票を発行するよう連絡がいきます。

令和5年から国外居住扶養親族の扶養控除の見直しがあります。年齢30歳以上70歳未満の非居住者は扶養親族から除外。ただし、留学により非居住者となった者、障害者、その居住者から生活費等を年間38万円以上受けている者は、従来通り扶養控除の対象になります。

それでは。良い一日を!!