74話「令和6年税制改正②」

昨年12月に 令和6年の税制改正大綱が出ました。今回は、法人に対する税金関係の内容をまとめたいと思います。


法人課税


①中小企業者等の賃上げ税制の拡充

■現状

当期給与総額が前期よりも1.5%以上増加・・・増加分の15%税額控除
当期給与総額が前期よりも2.5%以上増加・・・増加分の30%税額控除

■教育訓練費の上乗せ措置

教育訓練費が前期より当期が5%以上増加、かつ教育訓練費が給与総額の0.05%以上の場合は、税額控除率10%上乗せ

■認定子育てサポート企業の上乗せ

当期にプラチナくるみん、プラチナえるぼし認定又はくるみん、えるぼし認定2段階目以上の場合は、税額控除率5%上乗せ

赤字等控除出来ない税額控除分は、5年間繰越可能。
ただし、当期給与総額>前期給与総額の事業年度のみ適用。
令和6年4月1日以後開始事業年度から適用。

②交際費等の損金不算入の飲食代の引き上げ

交際費等の範囲から除外される一定の飲食費にかかる1人当たりの金額を5千円から1万円に引き上げる。令和6年4月1日以後の支出より適用。

③倒産防止共済の解除後加入時の損金算入制限

倒産防止共済解約後に共済に加入した場合で、解除から2年を経過する日までに支払った掛金の支払い時の損金算入は不可(経費に落ちない)。
令和6年10月1日以降の契約解除から適用。


消費税


①高額特定資産の適用範囲拡大

高額特定資産を取得した場合、以後3年間は、免税事業者や簡易課税の適用不可となる。
高額特定資産に、令和6年4月1日以後に行う合計200万円以上の金又はプラチナの地金を加える。

②自動販売機の購入時の場所明記不要

自動販売機で飲食物を購入した場合には、自動販売機の所在場所を帳簿に記載しなければならなかったが、令和5年10月1日以降遡って、所在場所を記載しなくても仕入税額控除が受けられる様になった。

今回の税制改正は、殆ど減税策となりました。今後の経済状況を考慮し、増税は先送りとなりました。

コラム初回掲載時の税制適用を考慮しております。その後の税制改正で差異が生じた場合は予めご了承ください。

それでは。良い一日を!!