数字で感じる「密集」のリスク

新型コロナウィルスの脅威は日に日に増しています。
一方で、ウィルス自体は目に見えないため、その怖さも伝わりにくいのが実感ではないでしょうか?

今回は、そんな見えないコロナウィルスの脅威について、数字でリスクを感じて頂く事に挑戦したいと思います。

結論から言うと、
もう自分が感染者かもしれないと思って、マスクをする、手洗いを頻繁にする、無闇に物を触らないを徹底していただくことが大事な局面となっています。


■自分が感染者の確率と、感染者と接触する確率


現状では、自分が感染者である確率はまだまだ低い状況ですが、感染者と接触する確率は着実に上がっている状況です。

現在(4/6)日本の感染者は、4,000人を超えました。
人口の1.2億人あたりで換算すると、10万人あたり3.3人感染しています。
確率にすると0.000033、0.0033%。

こういった数字だけに注目すると、自分が感染するなんて思えないかもしれません。しかし、この感染者数は、潜伏期間を考えると2週間前の感染者数の数字であり、実際にはもっと多くの人が感染しており、まだそういった感染者が隔離されていない可能性もあります。

【!】Attention
以降の話は、感染リスクを感じていただくため、隔離されていない感染者が4,000人以上いる場合の確率の話をします。
不用意に不安を感じたく無い方は、以下の記事は読まず、マスク、手洗い、物を無闇に触らない事を徹底していただければと思います。


■10万人以上利用する駅に感染者がいる確率は95%超え?


もし、自分が100人の人と接触して、その中に感染者がいる確率は、

[一人以上の感染者がいる確率] = [全体(100%)] - [全員が非感染者の確率]

1-(1-0.000033)^100 = 0.0031

つまり、0.31%となります。

これが、
1,000人だと3.1%
10,000人だと27.1%
100,000人だと、95.7%
になります。

流石に自分が10万人と対面で接触するようなことはなかなかないでしょう。
しかし、何か物を介して接触する可能性もあるのです。
ウィルスは、プラスチックの表面で2−3日間生存すると言われています。

そして、首都圏の主要駅を利用する人数は、JR新宿駅だけで80万人。
つまり、首都圏の主要駅には必ず一人は感染者がいると思った方がいいでしょう。


※繰り返しになりますが、上記の確率は、あくまで感染者が隔離されていない前提であり、実態とは異なる場合があります。
あくまで、隔離されていない感染者が何人いるかの前提での数字ですのであることをご了承願います。


■今後も変化する確率に要注意


しかもこの数字は、(隔離されていない)感染者数が4,000人の前提です。この感染者が5,000になると、10,000人接触確率が32.6%となります。

表1

中に感染者がいる確率を表にしてみました。(表1、2)
このようにすると、いかに不特定多数の人数が集まる場にいることが危険かがわかると思います。そして、感染者が増えるに従って、その危険度は比較的少ない人数でも高まってしまうのです。

表2

日本よりも深刻なイタリアは、人口が日本の約半分なのに、感染者は10万人を超えています。そのような状況だと、100人と接触するだけで、感染者がいる確率は15.3%となってしまいます。(満員電車一両で200人くらいです。) 通常の生活をしていれば、接触する人数が100人というのは、都心部では十分にあり得る数字となってしまいます。

しかし、この確率も、一人一人が感染を意識する行動をすると、グンと減らすことができます。感染者がいる確率が15%でも、感染者の90%が意識するだけで、1.5%しかウィルスを残さないからです。

今大事なのは、自分が感染者だと思って、ウィルスを残さないように行動する事ではないでしょうか?

マスクをする。
手洗いを頻繁にする。
無闇に物を触らない。

こういった行動が、自分を守り、他人を守り、社会を守ることにつながると思います。

今重要なのは、他人とは半径2m以上の距離を保ちつつ、半径2m以内の家族との時間を大切にする。
そんな時間を過ごしていただければと思います。