9話「消費税について①」

今や一番身近な税金の一つが「消費税」だと思います。

それでは、どんな時に消費税が課税されるのかを考えてみましょう。
本屋さんで本を買った時、文房具を買った時、飲食をした時、商品を仕入れた時等、色々なケースで消費税を支払っています。


消費税の課税対象となる条件


ここで、消費税の対象となる原則的な考え方を確認しましょう。

① 国内取引である
従って、海外での取引は、課税対象外(消費税がかからない)となります。

② 事業者が事業として行なったものである
従って、法人や個人事業者以外は、消費税が課税されません。
個人がたまたまフリーマッケットで物を販売した場合も消費税が課税されません。

③ 対価を得ている
無償は0円なので、消費税は課税されません。

④ 資産の譲渡、貸付、役務の提供である
例えば、商品の売買、情報の提供等の役務の提供、住宅や事務所の貸付。

上記、①から④全てに該当すると消費税の課税対象となります。

ここで注意点があります。

消費税は、課税対象、非課税対象、課税対象外の3つに分類しないといけない点です。

最初に抑えて欲しいのが、非課税対象は何か?です。
非課税対象は、消費税を課税すると問題になるもの(住宅の家賃)や消費しないもの(土地)が該当します。
よく実務で出るのが、保険料、住宅用の家賃、土地の購入、支払利息、社会保険料、行政手数料等です。

対象外取引の代表例は、お祝金、見舞金、香典、給与、補助金、保険金、立退料等があります。

非課税対象と課税対象外を抑えれば、それ以外が課税対象となります。


消費税納税義務判定と特定期間


ところで、消費税の納税義務者は、

原則、基準期間(簡単に説明すると2年前の事業年度)の課税売上高が1,000万円超だと納税義務者となります。
例外規定で、法人の新規設立の場合、期首の資本金1,000万円以上は納税義務者となります。

ここで注意点があります。

事業開始して2期目の時、
個人事業者や資本金1,000万円未満法人の場合の消費税納税義務判定は、特定期間(前事業年度の上半期6ヶ月間 ※)における課税売上高が1,000万円超だと2期目の納税義務が免除されません
ただし、特定期間の給与が1,000万円以下法人の設立時の特定期間が7ヶ月以下なら納税義務はありません。

※特定期間の補足

個人事業者は、1月~6月です。開業が4月なら4月から6月が特定期間となります。
特定期間が無い場合は、免税事業者(消費税を納付しない事業者)となります。
例えば、個人事業者で7月から開業の場合です。

法人の場合は、決算月から逆算してください。
例えば、3月決算法人で資本金1,000万円未満の場合、9月設立であれば、特定期間は、7ヶ月以下となります。
従って、2期目は免税事業者となります。

これでもかなり省略して説明をしましたが、なかなか理解するのが大変だと思います。

特に設立時について、免税事業者か課税事業者かどちらかを有利選択する場合は、色々と試算が必要です。

免税事業者が一番良いかと言うと、そうでもありません。
設立時に多額の設備投資をする場合は、課税事業者を選択して消費税の還付を受けられるケースがあります。

設立前に税理士へ相談するのが良いと思います。

お客さんからよく質問を受けるケースで、

「うちは免税事業者だから、消費税はプラスしてはいけないのですか?」

結論は、

免税事業者でも消費税はプラスして良いです。

免税事業者なので、消費税を納付する義務はありません。

例えば、

預かった消費税70万円-支払った消費税50万円=20万円が益税となります。

将来的に免税事業者は、消費税をプラスする事が出来なくなりますが、今の段階では大丈夫です。

開業時に、免税事業者が良いか?課税事業者か良いか?を決めてください。

それでは。良い一日を!!